漏電により発生した火災や損害は火災保険で補償されるか！？　ケース別に解説！

この記事では、漏電による事故で建物や家財に損害が生じた場合に、その損害が火災保険によって補償されるかどうか解説しています。また、補償される場合の対象や条件について説明しています。
この記事が、漏電事故のケース別に火災保険を活用する際の参考として役立てば幸いです。

漏電事故はどのように発生するか

電化製品等の内部やケーブルには、ビニールやゴム等、電気を通さない性質を持つ「絶縁物」と呼ばれる物質が多くの箇所で使用されています。これにより、通常、電化製品等で電気を使用している時に電気を流す必要がある場所以外の所へ電気が漏れ出ずに済んでいます。

ところが、電気の通り道を覆っている絶縁物が古くなったり傷付いていたりすると、電気を遮断する絶縁機能が悪くなり、本来の通り道から電気が外に流れ出る漏電現象が起きます。

すると、配線で漏電した場合などに、屋根や外壁の下地等に使用されている金属製の建築材に電気が通って流れます。そして、建物に固定して設けられた金属製の付帯設備などの一部や、本来は電気の流れない所にまで達して、ほこりや油が発熱して出火し火災となってしまいます。

漏電による損害は補償されるか

漏電事故によって生じた建物や家財の損害への火災保険による補償は、発生した事故内容や契約条件により異なります。そこで、ケース別に補償状況を確認してみましょう。

火災の場合

漏電により火災が発生してしまった場合には、その他の原因による火災と同様に、建物および家財ともに火災による焼損程度に応じた補償の対象となります。

ただし、例えば雨漏りを修理せずに放置した結果として漏電火災が発生したなどのケースでは補償対象でなくなる可能性もあります。なぜならば、火災保険を適用する前提である「不足かつ突発的な事故」ではなく人為的原因が大きいと見なされる余地があるからです。

漏電リスクを減らすため、気が付く範囲で日頃から清掃や点検、修繕などをマメに行っておきたいものです。

家財（電化製品等）が故障した場合

火災にまで至らない漏電事故による損害は、損傷・故障した物により2つのケースに分かれます。その1つが、例えば扇風機、パソコン、電子レンジ等、コンセントを用いて容易に取り外しが可能な電化製品等の家財の故障です。

これらの家財が漏電により故障してしまった場合も「不測かつ突発的な事故」として認められる限り、家財を保険対象とした火災保険の補償対象となります。

ただし、経年劣化が進んだ電化製品などで漏電事故が生じたときは、予測可能な範囲内として対象外となる場合もあります。

建物の付帯設備が故障した場合

エアコンや床暖房、ボイラー設備、風呂給湯器、ソーラーパネル等、建物に固定されていて簡単には取り外しができない「電気的・機械的設備」については、電化製品等の家財と取り扱いが異なります。

漏電事故が火災にまでは至らず、これらの設備が漏電により故障した場合は、原則として火災保険の基本契約のみでは補償の対象となりません。これらは、建物を対象とする「電気的・機械的事故担保特約」を付加することにより補償の範囲内となります（基本契約にあらかじめセットされている場合もあります）。

ただし、経年劣化が漏電事故の原因となっている場合には、やはり補償の対象外となります。

複雑なケースにこそ専門家を活用する

漏電事故による火災、もしくは建物付帯設備または電化製品等家財の故障のケースは、事故による損害状況と契約内容を照らし合わせて補償の可否を判断するのが複雑で困難な場合の1つでしょう。

このような場合にこそ、建築・建物および保険の専門家である火災保険申請代行サービス事業者に依頼し、保険金請求手続全般に対する支援を得るのが賢い選択です。個別のケースを丁寧にお伺いし、保険金請求が可能かどうかの適切なご案内が可能です。ご相談は無料で承っておりますので、気軽にご活用ください。

ただし、専門家を称する火災保険申請代行サービス事業者も玉石混交であり、中には悪質業者が紛れていることもあるため、信頼するに足る優良な事業者を選びたいものです。

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