わざと家財を壊す、虚偽申告等の場合、火災保険の補償はどうなる？　悪質業者と結託して詐欺を行うリスクを解説！

この記事では、悪質業者と結託して火災保険を利用した詐欺請求を行なった場合のリスクについて解説しています。

火災保険の対象である建物、家財等を故意に損壊した場合や、虚偽申告により保険金請求を行なった場合、補償はどうなるのでしょうか。また、その場合に被保険者（契約者）は何らかの責任を負うのでしょうか。

この記事を、保険金詐欺に通じるような保険請求を防止し、適正な保険金請求手続を行うためにお役立てください。

火災保険の補償対象外となる詐欺請求

火災保険は火災時に被害を受けた建物のためだけの保険ではなく、その補償は台風等の自然災害時や突発的で偶然の事故時にも及び、家財も対象にできます。このような補償範囲の広さにより、火災保険は住宅総合保険の位置付けを有しています。

しかし、火災保険の対象物である建物に放火する、家財をわざと損壊するなどした上で、生じた損害について保険金の給付を受けようとする行為は詐欺罪（刑法246条）を構成し、厳しく罰せられる可能性があります。なお、自己所有の建物であっても非現住建造物放火罪（刑法109条）が成立します。

また、見積業者と通謀し、損傷箇所の修理費用を適正な修繕費用よりも高額とする水増しや、そもそも補償対象とならない経年劣化による損傷の修理費用を故意に見積金額に含めるなどの虚偽申告による保険請求も詐欺となります。

当然ながら、これらのケースにおいて火災保険からの補償は一切受けることができません。

では、このような詐欺行為（保険金詐欺）はどのような責任を問われることになるのでしょうか。具体的に確認することにしましょう。

刑事責任

詐欺罪

保険金詐欺は一般に重罪として厳しく追及されます。刑法246条が定める詐欺罪の法定刑は10年以下の懲役であり、罰金その他の種類の刑は用意されていません。

保険金詐欺は被害額が高額となる傾向がありますが、数百万円〜数千万円ともなれば、執行猶予付き有罪判決を得ることなく一発で実刑判決となる高い可能性があります。

また、詐欺罪は未遂でも処罰されます（刑法150条）。そのため、実際に保険金給付にまで至らなくとも、保険会社に対する欺罔（ぎもう）行為（相手方を誤解や勘違いに陥れる行為）があった時点、すなわち保険金請求があった時点で実行の着手があったと見なされます。その時点で未遂犯が成立します。

非現住建造物放火罪

放火は重罪です。放火罪は単に建物という財産を保護するために設けられたものではなく、公共の安全を確保するためのものです。そのため、自己所有の建物への放火も重い罪に問われます。刑法109条2項では法定刑が6月以上7年以下の懲役と定められています。

このような重い刑罰を伴う罪に問われることを考慮すれば、一時の利益を得ようとして保険金詐欺に手を染めることは非常に愚かなことです。

保険法上の責任

保険金の詐欺請求は、補償を受けられないだけでは済みません。詐欺請求は重大解除事由とされ、保険者から保険契約を解除することができます（保険法30条2号）。さらにこの場合、保険会社は保険料を返還する義務を負いません（保険法31条1号）。

火災保険契約そのものや支払い済みの保険料をフイにするなど、一時の欲による保険金詐欺は、やはり極めて愚かしい結果をもたらすのです。

トラブル防止には火災保険申請代行サービス事業者を選ぶ

以上に解説してきた詐欺請求は多くの場合、悪質業者に唆されて行われています。残念ながら、このような悪辣な会社は火災保険申請手続のサポートを行う（とうたっている）事業者の中にも紛れています。

しかし、大多数の火災保険申請代行サービス事業者は、適正な見積金額による適正な請求手続の支援を行なっています。これら大多数の良識ある申請代行サービス事業者に依頼したいものです。

優良で信頼できる火災保険申請サポート業者を見極める

では、依頼する火災保険申請代行サービス事業者の中でも、信頼できる優良な業者はどうやって探したらよいのでしょうか。
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